経営者の占い師、瀧上阿珠(たきがみ あじゅ)です。
四国八十八箇所の霊場を巡礼するお遍路は、安倍晋三総理大臣も行っています。
財界の重鎮や政治家も行うお遍路にはどのような意味があり、秘めたご利益があるのでしょうか?
真言宗の開祖である弘法大師(空海)が開山した霊場を巡礼するお遍路に隠された意味とお遍路のご作法を解説します。
お遍路に興味のある人だけでなく、切羽詰まったお願いがある人は、ぜひ何度もお読みください。
お遍路の本当の意味
「お遍路」というのは、弘法大師(空海)が開山した八十八箇所の霊場を巡礼して足跡をたどるというもの。
弘法大師(空海)は讃岐の国(香川県)の出身で、青年の頃に四国の山中、太龍岳、室戸岬などで参道修行を行うことで虚空蔵求聞持法(こ くうぞう ぐもんじほう)の智恵を得たと言われています。
一定の作法に則って真言を百日間かけて百万回唱えるというもので、これを修した行者は、あらゆる経典を記憶し、理解して忘れる事がなくなるというもの
達成する僧侶がほとんどいない虚空蔵求聞持法(こ くうぞう ぐもんじほう)の修行を達成した弘法大師(空海)の功徳にあやかろうと、四国に多くの僧侶が悟りを求めて修行や参拝に訪れるようになっていきました。
それが今のお遍路の基礎になったと言われています。
「お遍路」というのは、単なるパワースポット巡礼旅のようなものではなく、「修行」の一環なんですね。
お遍路の豆知識
弘法大師(空海)は「お大師さん」の名称で親しまれています。
お遍路中は「お大師さん」「お大師さま」という言葉を沢山耳にすると思いますので覚えておくと良いでしょう。
知られざるお遍路のご利益
お遍路はよく「自分探しの旅」だと言われていますが、本当は切羽詰った「お願い」を叶える力があるんです。
お遍路をしているとよく「奇跡」のような体験話を聞くことがあります。
切羽詰まったお願いが叶えられるお遍路のご利益
歩けなかった妻のために幾度となくお遍路をしている男性が、とあるお寺のご住職から「次は奥さんと2人で回りなさい」と言われたそうです。
とてもじゃないけど妻は遍路ができるような足ではありません。
難しいと思うということをご住職に伝えると「いいからいいから」と言いいます。
帰宅してそのまま妻に話すと、本人も行くと言って聞ききません。
歩けなかった妻と遍路に出たところ、とあるお寺で見えないものに妻が背中を押され、倒れこんだ妻を起こそうと駆け寄ると、自分の足で立って歩くようになっていました。
そんな不思議な話が数多く存在しているんです。
かく言う私も友人が重い病にかかり、その「願掛け」にお遍路をしましたが、本人の頑張りもあって退院し元気に暮らしています。
「自分探し」だけでなく、「秘めたるご利益」が得られるのがお遍路なのです。
お遍路では大きく厄が落ちる
お遍路はお大師さんが修行された場所を巡ります。
霊場というのは仏様の「秘めたるパワー」が充満している場所です。
そういう場所に行くとあなたの厄が大量に落ちていきます。
厄が落ちるときに、
- 物凄くイライラしたり
- 気分が滅入ったり
- お遍路自体をもう辞めたくなったり
といったことが起こります。
途中で投げ出したりせずに、ぐっと堪えて5~6ヶ寺回ってみましょう。
5~6ヶ寺回る間に厄が落とされ、あの気分はなんだったのか?というくらい物凄く穏やかな気持ちになれるはずです。
これは私の母が体験した話ですが、お遍路中にお寺の階段を上がる際に足を引っ張る手の感触がしてなかなか上ることができなかったそうです。
ご先祖さん等の厄はこのような形で出ることもあります。
本堂までの辛抱なので、「何かの厄が落ちているんだな」程度に考えるようにしましょう。
ちなみに、本堂のお参りを終えた時には足に感じていた違和感は無くなり、シャキシャキと階段の上り下りができるようになっていました。
占い師の私が教えるご利益倍増のお遍路の秘訣
お遍路のご利益を倍増させるための秘訣はお願い事は最後まで変えないということ。
「これだけは絶対!」というお願い1つに絞って、最後までそのお願い事で行くようにしましょう。
同じお願いを何度も何度もお願いすることで、「それだけ必死なのか」と仏様も気持ちを汲んでくださり、ご利益を大きくしてくれます。
どんなお願い事で巡礼するのかは事前に考えておきましょう。
お遍路に必要なもの
- 輪袈裟(わげさ)
- 金剛杖(こんごうづえ)
- 数珠
- お経本
- 納札
- お賽銭
- ろうそく
- 線香
- ライター
- ご朱印帳(必要であれば)
- お遍路マップ(あると便利)
お遍路用品はインターネットでも購入可能です。
1番札所近くにお遍路用品の販売店
バスツアーや車でのお遍路さんが立ち寄ることが多いのが「発心堂」というお遍路用品の専門店。
ここに来れば大抵のものは揃えることができますので安心です。
発心堂
営業時間:8:30~17:00
住所:徳島県板野郡板野町川端内井46-1
アクセス:板野ICより車で1分
Webサイト:https://ameblo.jp/tottuanx/
お遍路時の服装
基本的には動きやすい格好であれば、どんな服装でお遍路をしても問題ありません。
全身に白衣を着るのが正式ではありますが、上だけ白衣を羽織る方もいますし、白衣は着ずにお遍路されている方も多いです。
ただし、輪袈裟(わげさ)は必ず掛けなければならないので、これだけは必ず用品店で買い求めるようにしてください。
着るものに関してはそこまで神経質になる必要はありません。
履く靴には気をつけて
車やバスツアーでお遍路をする場合でも山道を歩く場合があります。
そのため、革靴やヒールは避けた方が無難。
歩きやすい靴でお遍路に臨むようにしましょう。
お遍路の回り方
お遍路というとまず一番に思い浮かぶのが歩いて回る「歩き遍路」だと思います。
じつは、「歩き遍路」にこだわる必要はなく、車で回ったり、バスツアーに参加して回ったりしてもご利益はあるんです。
回る順番
基本的に順番は決まっていません。自分が好きな順番で参拝していってOKなのがお遍路の良いところ。
ですが、大抵のお遍路をする方は順番に回っていることがほとんど。
1番から順番に回ることを「順打ち」と言い、88番から順番に回ることを「逆打ち」と言います。
- 順打ち … 四国八十八箇所で第1番から88番を時計回りに巡拝すること
- 逆打ち … 四国八十八箇所で札所の第88番から1番に向かって巡拝すること
逆打ちは難所が多いことからご利益が倍増すると言われています。
特に「うるう年」に逆打ちをすることで、3倍のご利益がもらえると言われているんです。
2020年は「うるう年」になるので必見!逆打ちをするお遍路さんが増えると思います。
瀧上の豆知識
「打つ」というのはお遍路用語で、「お参り」のことを指します。
昔のお遍路は「納札」が木で出来ていて、お堂の壁に釘で打ちつけてお参りをしていました。
現代では、木ではなく紙になったのでお堂に打ち付けることはなくなりましたが、用語として残っているんです。
お寺さんの参拝順路と必要なもの
お遍路のお寺さんはどこも「本堂」「大師堂」「納経所」がセットになっています。
本堂 … ご本尊である仏様がお祀りされているところ
大師堂 … お大師さん(弘法大師、空海)がお祀りされているところ
納経所 … ご朱印を頂くところ
参拝順路は、
1.本堂にお参り
2.大師堂にお参り
3.納経所でご朱印をいただく
という形が基本です。
「本堂」はもとより、「大師堂」でもお線香とろうそく、納札は必要なので、その分も準備する必要があります。
お寺さんによってはろうそく、お線香、納札の販売をしているところもありますが、ないところも多いので残数はマメにチェックするようにしてくださいね。
お遍路の作法
冒頭でもお伝えしましたが、お遍路は修行の一環です。
実際にお遍路に行くとわかりますが、多くのお坊さんも同じようにお遍路をされています。
修行場ですので、はしゃいだりしているとお寺さんに一喝されるなんてことも実際にありますから注意が必要。
これからお伝えする作法をきちんと守って巡礼するようにしましょう。
山門前で本堂に向かって合掌礼拝して入る
山門前で一度立ち止まり、本堂に向かって合掌して一礼(合掌礼拝)します。
車で回る場合、駐車場からすぐにお寺へ入れるところも多いですが、近くに山門がある場合は必ず門まで回り、合掌礼拝して入るようにしましょう。
山間部のお寺は、山のふもとに山門がある場合が多いので、その場合は「ここからがお寺です」という目印があります。
その手前で立ち止まり、本堂に向かって合掌礼拝するようにしてください。
手水舎で手と口を洗う
- 柄杓に水を汲み、左手、右手の順で洗います
- 左手の平に柄杓から水を受けて、口をすすぎます
- 柄杓を立てて柄を洗います
基本的には、1度柄杓に入れた水で①~③の所作を行います。
瀧上の豆知識
山間部のお寺さんは手水舎がないところもあります。
その場合に「塗香」を持っておくと便利。
「塗香」は手に塗るだけで、お清めになるというもので、山間を歩いて巡礼していたお坊さんたちが本堂へお参りの際に心身を清めるために使っていたものなんです。
「塗香」は仏具屋さんやお線香や香木を扱っているお店であれば販売しています。
本堂へお参り:ろうそくを灯す
まず最初は本堂にお参りします。本堂前にあるろうそく立てにろうそくを1本灯しましょう。
その際に、必ず自分のライターやマッチで火を灯すようにしてください。
他の人が灯したろうそくから火をもらう行為は、「他の家庭の明かりを奪う」「他の家庭の厄をもらう」行為になるため良しとされません。
お寺さんで種火を用意してくれている場合は、そこから火をもらっても問題ありませんが、ない場合がほとんどですので、必ず自分のライターやマッチで火を灯すようにしましょう。
ろうそくは出来るだけ奥から立てるのが作法
手前に立ててしまうと奥にろうそくが立てられなくなってしまうため、作法としてはNG。
後の人のことも考えて、出来るだけ奥から詰めて立てるようにしてください。
本堂へお参り:お線香をあげる
自分が立てたろうそくの火を使ってお線香(3本)に火をつけます。
ろうそく立が込み合っている場合は、離れた場所でライターやマッチで火をつけても問題ありません。
お線香が3本なのには理由があります。
1本はお大師さんに、1本はお祀りされている仏様に、1本は自分のご先祖様にそれぞれお供えする行為なんです。
仏教では「3」という数字は、仏様の3種類の身のあり方(法身・報身・応身)とも言われていて重要視しています。
そういった意味でも、お遍路でお供えするお線香は「3本」と決まっているんですね。
本堂へお参り:お賽銭を入れて納札を納める
お賽銭箱にお賽銭を入れて手を合わせ、その隣にある「納札入れ」へ納札を納めます。
本堂へお参り:お経をあげる
合掌礼拝してお経を始めます。
(始める前に合掌礼拝)
1.開経偈
2.懺悔文
3.三帰
4.三竟
5.十善戒
6.発菩提心真言
7.三摩耶戒
8.般若心経
9.ご本尊真言
10.光明真言
11.大師宝号
12.回向文
(合掌礼拝して、お願い事、軽く一礼して完了)
という順番になります。
ご本尊真言はお経本に書かれていますが、お寺によってご本尊が違いますので、ご本尊を確認してご真言を唱えるようにしましょう。
回向文まで終わったら、合掌礼拝してお願い事を言います。
お願い事は、必ず「住所」「氏名」を言ってから具体的に伝えるようにしてください。
お願い事が終わったら軽く一礼して、本堂のお参りが完了です。
お経をあげる際に気をつけること
お経をあげる際には、必ずお経本を持って行うのが作法です。
それは一字一句間違ってはいけないという厳しい戒律があるからなんです。
どんなに修行を積んだお坊さんであっても、必ずお経本を持って読経されています。
お遍路をするに従って、お経も覚えてくると思いますが必ずお経本は持って読むようにしてください。
瀧上の豆知識
本来、正しいお遍路の作法は写経を納経するものだと言われています。
もしも、写経を納める場合は「写経入れ」がお賽銭箱の近くにありますからそこに入れるようにしましょう。
大師堂へお参り:ろうそくを灯す
次に大師堂へお参りします。大師堂前にあるろうそく立てにろうそくを1本灯しましょう。
灯し方は本堂前で行った作法と同じです。
大師堂へお参り:お線香をあげる
自分が立てたろうそくの火を使ってお線香(3本)に火をつけます。
お線香の立て方についても本堂前で行った作法と同じです。
大師堂へお参り:お賽銭を入れて納札を納める
お賽銭箱にお賽銭を入れて手を合わせ、その隣にある「納札入れ」へ納札を納めます。
大師堂へお参り:お経をあげる
合掌礼拝してお経を始めます。
(始める前に合掌礼拝)
1.開経偈
2.懺悔文
3.三帰
4.三竟
5.十善戒
6.発菩提心真言
7.三摩耶戒
8.般若心経
9.光明真言
10.大師宝号
11.回向文
(合掌礼拝して、お願い事、軽く一礼して完了)
という順番になります。
(基本的にはお遍路用のお経本に書かれている通りの順番です)
大師堂では「ご本尊真言」は唱えません。後の作法は本堂で行ったものと同じです。
納経所へご朱印をもらいに行く
全てのお参りが済んだら、必要があればご朱印をもらいに行きましょう。
お遍路さんは多く、納経所は大変混み合っています。
スムーズにご朱印が貰えるように準備して順番を待つことがマナーです。
- ご朱印をもらう場所を開いて手渡す
- できるだけお釣りはないようにする
- ご朱印をもらったら速やかにその場から離れる
掛け軸などにご朱印をもらう場合、ご朱印を乾かす用にドライヤーが置かれていますので利用するようにしましょう。
ご朱印帳が汚れないように挟む新聞紙なども用意されているので、気になる人は活用するようにしましょう。
ご朱印を頂くと「御影札(みえふだ)」というご本尊である仏様の姿を写したお札がいただけます。
御影札(みえふだ)は仏様の分身なので、大切に扱うようにしましょう。
瀧上の豆知識
スタンプラリー感覚でご朱印を集める方がいますが、ご朱印はそこの神様や仏様と縁を結んだ証明書のようなものです。
本来は参拝した時点で魂にご朱印が押されると言われています。
沢山のご神仏と縁を結ぶことで、それだけ徳を積んだ人間だと閻魔様に考慮してもらえ、生前の罪を軽減してくれると考えられているんです。
参拝した時点で魂にご朱印はされているため、現代のご朱印はあくまでも自分よりも先立った方のお棺に入れるものだと考えるようにしましょう。
先立った方がもしもお遍路をされていない場合は、そのご朱印帳を持ってあの世に行くことでお遍路をした人から徳を分けてもらうことができます。
徳を分けた人は「陰徳を積んだ」と更に評価されるため、良い循環になるというわけです。
山門を出たところで本堂に向かって合掌礼拝をする
入ったときと同じように山門を出たところで一度立ち止まり、本堂に向かって合掌して一礼(合掌礼拝)します。
夕刻16時30分以降のお参りは控えること
どこのお寺にも閉門時間というのがあります。だいたい16時30分~17時の場合がほとんど。
閉門時間ギリギリに入るのは、お寺さんの夕刻のお勤めの邪魔になるので控えるようにしましょう。
16時頃に参拝する方は、山火事の危険もありますので、ろうそくやお線香は灯さないようにしてください。
その場合は、心の中で作法に則り、ろうそくに火を灯し、お線香にも火を灯すようにすればOKです。
あとは、お賽銭と納札を入れて普段どおりの作法でお参りしてください。
お遍路の最後は高野山に「無事に結願できました」と報告に行く
お遍路中はお大師さんが一緒に巡礼してくださっています。
そのため、お大師さんがお祀りされている高野山 奥の院へ「無事に結願(けちがん)できました」とご報告(お礼参り)に行きましょう。
「結願(けちがん)」というのは、八十八箇所全てのお参りが終わること。西国三十三箇所や不動霊場巡礼などでも「結願(けちがん)」と言います。
このお礼参りをもって「お遍路完了」となります。
不安な人はバスツアーの参加がおすすめです。
ここまで読んで、「ちゃんとした作法で回れるか不安」と感じている人も多いと思います。
その場合は、各地で開催されている「お遍路ツアー」を活用するようにしましょう。
「お遍路ツアー」には先達(せんだつ)さんと呼ばれるお遍路のプロフェッショナルな方が同行してくれるので、手ほどきを受けながら巡礼することが出来ます。
参拝作法、お経の読み方、参拝時の注意点なども教えてくれるので、初心者さんには優しいツアーになっています。
お遍路に必要なグッズなどもツアー会社から注文できることがほとんどですからおすすめです。
お遍路グッズの基礎知識
輪袈裟(わげさ)
お寺へお参りする際の正装具。
数珠などの法具と同じように扱う必要がありますので、付ける際には手を清め、トイレの際には外しましょう。
金剛杖(こんごうづえ)
金剛杖(こんごうづえ)はお大師さんの化身だと言われています。
不浄な場所に持って入らず、参拝時には金剛杖(こんごうづえ)を立てる場所がありますのでそこに立ててお参りするようにしてください。
休む際も杖の先を洗ってふき、合掌し、出かける際も合掌してから持つようにしましょう。
橋の上では金剛杖(こんごうづえ)は突いてはいけないというのが、お遍路さんの慣わし。
橋の下にはお大師さんがお休みされているため、杖は突いてはいけないとされています。
橋を渡る際には注意してくださいね。
瀧上の豆知識
金剛杖(こんごうづえ)の上部には五輪塔をかたどった刻みがあり、空・風・火・水・地を表す5つの梵字 が書かれています。
じつは、金剛杖(こんごうづえ)というのは墓標の代わりなんです。
昔はお遍路中に命を落とすことも少なくありませんでした。
その弔いのために、金剛杖(こんごうづえ)を墓標に見立てて弔っていたんです。
白衣(びゃくえ)
白衣(道中着)はお遍路さんの正装。
お察しの通り、これは白装束を意味します。
昔はお遍路中に命を落とすことが多かったことから、もう戻って来れないかもしれないという覚悟のもと、自ら死に支度をしてお遍路へ旅立っていたんです。
道中で亡くなっても、そのまま弔うことができるようにという配慮だったんですね。
今では道路が整備されてお遍路中に命を落とすことも少なくなりました。昔はそれくらい厳しい修行場だったんです。
納札(おさめふだ)
自分の住所、氏名を書いてお寺へ納めるお札です。
お遍路の回数によって使える納札の色が変わります。
1~4回 … 白色
5~7回 … 緑色
8~24回 … 赤色
25~49回 … 銀色
50~99回 … 金色
100回以上 … 錦という織物のような生地
銀、金、錦の納札はご利益があると言われ、「納札入れ」から勝手に取っていく人が後を立ちません。
当然ながらこれはルール違反。
そんなことをして取った納札には何のご利益もありません。
もしも、銀、金、錦の納札が欲しい場合は、持っているお遍路さんに声を掛けてお話し、自分の納札と交換してもらうようにしましょう。
銀、金、錦の納札を持っている方というのは、それだけの回数をお遍路されており、徳の高い方です。
そういう方から納札を受けることで、ご利益を頂けるものになりますから、このブログを読んでいる方は絶対に納札入れから納札を勝手に取っていくことはしないようにしましょう。
御影札(みえふだ)
納経所ではご朱印にお寺のご本尊の仏様が描かれた御影の絵を頂きます。
これは、ご本尊の分身なので粗末に扱うことのないように気をつけましょう。
御影札(みえふだ)を入れる御影札入れ(みえふだいれ)という保存帳が販売されているので、その中に入れて保管することもできます。
頂いた御影札(みえふだ)は仏壇に入れるようにして保管してください。
仏壇がない場合は、床に置かずにご朱印帳などと一緒に戸棚の中や棚の上などで大切に保管するようにしましょう。
知っておくと良いお遍路用語
先達(せんだつ)
修験道で修行を行う際、先に立って後の者を導き、案内をし、指導をしてくれる人のことを言います。
お遍路の先達さんは、4回以上巡礼した上で、四国八十八箇所のいずれかのお寺から推薦された方が、「四国霊場会公認先達」として認められます。
お接待
巡拝者に食べ物や飲み物を施し、相手を思いやる心遣い等をして頂くことです。
善根の施しなので、断ってはいけないのが慣わし。
お接待を受けたときには、名刺代わりに納札を渡すのがマナーです。
お遍路している方は回数に係らず徳が積まれています。
その方をお接待して納札を頂くことで、その人自身の徳にも繋がるというわけです。
札所にある宿坊に泊まろう
寺院に宿泊することを参籠やお籠りと言います。
平安の昔より祈願、供養のため仏様のもとで一夜を明かして、ご利益や夢でのご神託が得られるとされていたからなんです。
せっかくお遍路に行くのですから、宿坊で「お籠り」してみるのはおすすめです。
宿坊がある札所
第六番札所 安楽寺
安土桃山時代に藩主により四国遍路や旅人のための駅路寺(宿泊の便を図るお寺のこと)に定められて以来、宿坊として四百年の歴史をもっていると言われる由緒のある場所。
大師堂前を源泉とする天然温泉「弘法の湯」もあます。
住所:徳島県板野郡上板町引野字寺ノ西北8
料金:1泊2食付き7,200円(1名)
Webサイト:http://www.shikoku6.or.jp/
第三十七番札所 岩本寺
野菜中心の精進料理と設備が充実していて、お遍路さんだけではなく一般客も宿泊することで有名。
朝6時からの本堂でのお勤めを体験することが出来ます。
住所:高知県四万十町茂串町3-13
料金:1泊2食付き6,800円(1名)/素泊まり4,300円 (1名)
TEL:0880-22-0376
お遍路の意味と秘めた力徹底解説のまとめ
弘法大師(空海)が開山した霊場を巡礼するお遍路に隠された意味とお遍路のご作法を解説しました。
- 切羽詰まったお願いごとがある
- 徳を積みたい
- 修行をして新しい自分と出会いたい
という人は、この記事を参考にしてお遍路に行かれてみてくださいね。
きっと新しい扉が開くはずです。