瀧上 阿珠
たきがみ あじゅ
鑑定歴15年目のタロット占い師、開運研究家。
占いアプリ「神言曼荼羅」「思念降ろし」などの監修を手掛け、リリース初日でランキングの1~4位を独占。国内のみならず海外からも依頼が入り、15年間で延べ3万人以上の鑑定経験を持つ。経営者、医師、弁護士、政治家など多くの顧客を抱え、多数のイベント、メディア取材の実績がある。
七福神の一人で、「だいこくさま」の愛称で親しまれる大黒天。
大黒天には、商売繁盛、財運・金運アップなどのご利益があると言われていますが、実はそれ以外にもスゴイご利益があることをご存知でしょうか?
今回は、そんな知られざる大黒天のご利益についてご紹介します。
大黒天のご利益
大黒天は、非常に強いご利益があると言い伝えられていますが、あの天下人・豊臣秀吉が信仰していたことでも有名です。
実は、こんな逸話が残っています。
豊臣秀吉がまだ少年だった頃。彼は、悲惨な少年時代を過ごしていました。
幼い頃に父と死別し、母の再婚相手にひどい虐待を受けていたのです......そして貧しい家計を支えるため薪を刈る重労働の日々だったといいます。
その後、家を出て武士の家来になりますが、すぐにリストラ。その後は放浪を繰り返し、職を転々としながら、なんとか食いつないでいたそうです......
そんな辛く苦しい挫折ばかりの少年時代だった秀吉でしたが、ある時、不思議なものに出逢います。
それが大黒天です。
秀吉はこの大黒天を見るなり「これは凄いぞ!」と直感。自らの守護神と定め、常に身近に三面大黒天の小像を置くようになりました。
すると、突然彼の運が開けたのです。
あの織田信長と運命的な出会いを果たし、その後トントン拍子で天下人への階段を一気にのぼって行ったのです。
大黒天が秀吉の出世運を引き上げてくれたのかもしれません。
このように大黒天には古くから凄まじいパワーがあると信じられてきました。
そして大黒天には立身出世だけでなく、他にも「富貴栄達」「商売繁盛」「縁結び」「五穀豊穣」「夫婦和合」のような様々なご利益があると考えられています。
大黒天とは?
そもそも大黒天とはどのような神様なのでしょうか?
大黒天は、もともとはインドのヒンドゥー教の神様でした。
大黒天はインドでは、「マハーカーラ」と呼ばれており、これはインド神話で破壊と再生を司る「シヴァ神」が、破壊神となったときの異名だそうです。
日本では「マハー=大きい」と「カーラ=黒い」を訳して「大黒天」と名付けられました。
こうして大黒天は、インドから中国を経由して、日本にやってきたのですが、平安時代頃になると「大国主命(おおくにぬしのみこと)」と習合するようになります。
大国主命とは、出雲神話で知られる有名な神様ですが、「大黒」と「大国」が同じ「ダイコク」という響きな大国主命に寄せた袋を担ぐ姿ので、次第に同一視されるようになったと言われています。
また、大国主命は袋を担いだ姿で描かれることが多かったため、大黒天はインドのマハーカーラのような荒々しい形相ではなく、大国主命に寄せた袋を担ぐ姿で描かれるようになりました。
大黒天の祀られているお寺
最後に大黒天の祀られているお寺を3つ紹介します。
中之獄神社(群馬県)
この神社には、日本一の大きさを誇る大黒天像(高さ20m)があります。この大黒天は、剣を持つめずらしい姿をしており、病や厄、悪霊を祓い福を招くと言われています。
長谷寺(神奈川県)
この長谷寺が創建されたのは、今から約1200年以上も前の、西暦736年だと言われています。ここのパワースポットは、大黒堂と呼ばれるお堂です。
大黒堂の中央には「出世・開運授け大黒天」が、左手前には「さわり大黒天」が祀られています。お祈りをすると良いご利益が得られますよ。
妙円寺(京都)
この妙円寺には、最澄作と伝えられている大黒天が本尊として祀られており、松ヶ崎大黒天の通称で親しまれています。
実は、1969年に妙円寺は火災に見舞われましたが、この本尊の大黒天は無事だったことから、「火中の大黒さま」と呼ばれるようになりました。
大黒天 まとめ
- 大黒天には、立身出世や商売繁盛などのご利益がある
- 大黒天はもともとインドの神様で、中国を経て日本にやってきた
- 大黒天をお祈りする際は、中之獄神社・長谷寺・妙円寺にいくと良い
大黒天には、凄まじいご利益のパワーがあります。ぜひお近くの大黒天が祀られているスポットを訪れて、お祈りしてみてはいかがでしょうか。